お客様より、よくいただく質問をまとめました。参考にご覧ください。
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塩素系・臭素系溶剤代替の主流は何ですか?
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炭化水素系溶剤です。
炭化水素系溶剤は、塩素系・臭素系溶剤と同じ位、脱脂力があります。
また、蒸留再生ができるので、溶剤は繰返し使え、排液の出ないクローズドシステムが可能です。
水系洗浄は、排水が出ますが、下水に流せないので、排水設備がないと難しいです。
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炭化水素系溶剤には、どのような種類がありますか?
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炭化水素系溶剤には、以下のような種類があります。
① ノーマルタイプ (第2石油類、第3石油類)
② 水切り剤 (第2石油類、第3石油類)
③ グリコールエーテル入りタイプ (第2石油類、第3石油類)
④ グリコールエーテル100% (第2石油類、第3石油類)
⑤ エマルジョンタイプ (第2石油類、第3石油類)
⑥ 含水非引火性タイプ (第3石油類)それぞれの適応汚れは以下の通りです。
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炭化水素系溶剤で、水溶性の汚れは落とせますか?
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A2の③~⑥のタイプの炭化水素系溶剤を使えば、落とせます。
水溶性汚れを落とす力は、⑤のエマルジョンタイプが一番強く、次に④③の順です。
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炭化水素系洗浄機の安全対策は?
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3槽式洗浄機ですと、第1槽の粗洗浄・第2槽の仕上洗浄は、「引火点-10℃」に温度管理すれば火が付くことはありません。
第3槽の減圧ベーパー洗浄+真空乾燥は、引火点以上の温度になりますが、0.1気圧以下の真空なので、酸素濃度が低く、火が付くことも爆発することもありません。
また、ポンプ・モーターは安全増防爆仕様、炭酸ガス自動消火器を標準装備しています。
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炭化水素系洗浄機の関係法令は?
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該当する関係法令は、消防法のみです。
消防法では、下表のような指定数量があり、洗浄機の保有量が指定数量以上の場合は、消防署の認可、指定数量の5分の1以上は消防署への届出をする必要があります。分類 引火点 性状 指定数量 第2石油類 引火点21℃以上 70℃未満 非水溶性液体 1000L 水溶性液体 2000L 第3石油類 引火点70℃以上200℃未満 非水溶性液体 2000L 水溶性液体 4000L 含水非引火性タイプは、消防法に非該当で、関係法令はありません。
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クリンビーの洗浄機は、他社と何が違いますか?
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一番違うのは真空ポンプです。
他社がドライポンプを使っているのに対し、クリンビーの洗浄機は「液封式真空ポンプ+メカニカルブースターポンプ」を使っています。
これにより、溶剤回収率が高いので、溶剤消費量が少ないとか、乾燥性が良い、故障が少ない、メンテナンスフリー等のメリットがあります。
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炭化水素系洗浄の欠点は何ですか?
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欠点は以下の通りです。
①消防法に該当するので、届出や認可が必要。
②レンズ・ガラスの洗浄には不向き。(曇りが出る)
③樹脂ワーク、樹脂箱の洗浄には不向き。(可塑剤の溶出、熱変形が起こり易い)
④パーティクル・異物の除去には限界がある。
⑤真空にするので、インライン式洗浄機を作り難い。これらの欠点を補えるのが、フッ素系洗浄です。
フッ素系溶剤は高価なので、炭化水素で対応できないところをフッ素でカバーするという使い分けをすれば良いと考えます。
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今後の工業用洗浄の方向性は?
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以前は、フロン・塩素系・臭素系溶剤が使われていましたが、それらは万能な洗浄剤だったので、標準タイプの洗浄機で洗浄できました。
現在、それらの代替になりそうなのは、水系、炭化水素系、フッ素系(HFO)ですが、それぞれ一長一短がありますので、ワークの形状・材質・汚れ・要求品質・タクトタイム等に応じて、最適な洗浄剤と洗浄システムを選定する必要があります。
それぞれの一長一短は以下の通りです。洗浄剤 利点 欠点 水系 洗浄剤は安価 排水が出る
鉄部品は錆の問題有り
しみが出来易い
乾燥性が悪い炭化水素系 炭化水素系溶剤は安価
排水が出ない消防法に該当 フッ素系
(HFO)排水が出ない フッ素系溶剤は高価 洗浄機は、大きく分けて多槽式とワンバス式の2種類があり、それぞれ以下のような
特徴があります。洗浄機 タクトタイム 処理能力 洗浄機サイズ 洗浄機価格 多槽式 3~6分 大 大きい 高い ワンバス式 12~15分 小 コンパクト 安い